仮想通貨法とは
仮想通貨法とは、仮想通貨ビジネスを行う際に関係する法律です。
このページでは、仮想通貨取引に大きな影響を与える仮想通貨法について分りやすく説明をしています。
仮想通貨法の概要
仮想通貨法はあくまでも通称です。正式名称は、「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律案」と言います。
仮想通貨法は、既存の「資金決済法(資金決済に関する法律)」を改正した法律です。正しくは、「第三章の二 仮想通貨」を追加もの。
そのため、本来は改正資金決済法と呼ぶ方がふさわしいと言えるかもしれません。
このサイトでは、分かりやすいように「仮想通貨法」で統一しています。
ビットコインをはじめとする仮想通貨が社会に及ぼす影響と存在感の高まりを考慮し、2016年3月に仮想通貨に関する法案が国会に提出されました。
これを受け、いわゆる仮想通貨法は2016年5月25日に成立し、2017年4月1日に施行されました。
これにより、ビットコインをはじめとする仮想通貨に関する取引が法律で規定されることになりました。
仮想通貨法では、仮想通貨を次のように定義しています。
資金決済に関する法律 第二条 5
- 買い物や、サービスを受けるときに対価として支払いができる価値のあるもの
- 法定通貨と交換することができるもの
仮想通貨は通貨ではなく資産
同法ではビットコインを含む仮想通貨を、支払手段の一つと定義しています。
現時点では、法定通貨(国が定めたお金=日本円)とは区別されています。
ちなみに、預金や債券などの通貨建資産は、上記の定義の対象外です。
また、前払式支払手段やポイントなどの特定の加盟店などで使用できるものも上記の定義から除かれます。
仮想通貨は、あくまでも資産に位置づけられます。
仮想通貨法が成立した経緯
2014年、当時世界最大規模の仮想通貨と法定通貨の交換所を営んでいた事業者、マウントゴックスが破たんするという事案が発生しました。
マウントゴックス事件
マウントゴックス(株式会社MTGOX、英語: Mt. Gox)とは東京都に拠点を構えるビットコイン交換所である。2009年にトレーディングカードの交換所として設立されたが、2010年にビットコイン事業に転換、一時は最大級の取引量を誇るビットコイン交換所になっていた。
2011年6月19日、不正侵入者によるハッキング行為により同社で取引されているビットコインの名目価格が僅か1セントに不当に引き下げられた。
伝えられるところによれば、犯人は、マウントゴックスに勤める会計検査官の感染したコンピュータから入手した証明書を使いハッキングを行い、大量のビットコインを手に入れたという。
また、任意の価格で大規模な注文をこしらえ名目上の価格で全部売却できる取引ソフトウェアを使っていたという。
しかし数分以内に価格は正当なユーザー取引の価値に合うように訂正された。この取引の影響額は875万ドル以上相当に及んだ。
出典:wikipedia
後日、同社が顧客から預かっていた資金やビットコインが、大幅に低減していたことが明らかになり、社会的に大きな問題になりました。
また、2015年6月に開催されたG7エルマウサミット首脳宣言において仮想通貨及びその他の新たな支払手段の規制を公表されました。
この時発表されたガイダンスでは、仮想通貨取引所に対して、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与規制を課すことが各国に求めるという内容が含まれています。
同月、FATF(金融活動作業部会)においても、同様の内容の発表を行っています。
こうした状況を踏まえ、資金決済法を改正することで、仮想通貨に関する法的規制が導入されることになりました。
仮想通貨法の規制対象者
仮想通貨法における規制の対象は、仮想通貨交換業を行うものとされています。
仮想通貨は、必ずしも発行者や管理者がいないという理由から、同法では、仮想通貨と法定通貨の売買などを行う交換所に登録制を課すこととしています。
そのため、この法律は仮想通貨トレードを行う利用者(ユーザー)を規制するためのものではありません。
仮想通貨交換業者の定義
仮想通貨交換業者の定義については、以下の通りです。
法2条7項
仮想通貨交換業には、仮想通貨の売買又は他の仮想通貨との交換を行うことの媒介、取次ぎ又は代理を行うこと及びに関して利用者の金銭又は仮想通貨の管理を行うことが含まれます。
利用者の売買の相手方となって直接販売等を行う販売所の業務や、利用者同士の売買の場を提供する取引所の業務に関しては、同法が適用されます。
これらの業務に関してアカウントやウォレットを提供して金銭や仮想通貨を保管する業務を行う場合は、これに該当します。
仮想通貨の取引所を選ぶ際は、セキュリティ面の安全性に加え信頼できるしっかりとした取引所を選ぶことが重要です。
仮想通貨交換業者は登録制
このような仮想通貨交換業は、あらかじめ金融庁の登録を受けた者のみが営むことが可能です。
登録を受けた者は、仮想通貨交換業者として資金決済法の適用を受けることになります。
金融庁は、仮想通貨交換業者コインチェックの「NEM(ネム)」が約580億円相当流出した事件を受けて、コインチェック株式会社に対する立入検査を実施しました。
また、同社以外の仮想通貨交換業者及びみなし仮想通貨交換業者に対し、システムリスク管理態勢に関する報告徴求命令を出しました。
仮想通貨交換業者
金融庁により、公表された仮想通貨交換業者登録一覧は以下の16社です。
- 株式会社マネーパートナーズ
- QUOINE 株式会社
- 株式会社 bitFlyer
- ビットバンク株式会社
- SBI バーチャル・カレンシーズ株式会社
- GMO コイン株式会社
- ビットトレード株式会社
- BTC ボックス株式会社、
- 株式会社ビットポイントジャパン
- 株式会社 DMM Bitcoin
- 株式会社ビットアルゴ取引所東京
- エフ・ティ・ティ株式会社
- 株式会社 BITOCEAN
- 株式会社フィスコ仮想通貨取引所
- テックビューロ株式会社
- 株式会社 Xtheta
みなし仮想通貨交換業者
金融庁が公表したみなし仮想通貨交換業者は以下の16社です。
- コインチェック
- みんなのビットコイン
- Payward Japan(Kraken)
- バイクリメンツ
- CAMPFIRE
- 東京ゲートウェイ
- LastRoots
- deBit
- エターナルリンク
- FSHO
- 来夢
- ビットステーション
- ブルードリームジャパン
- ミスターエクスチェンジ
- BMEX
- bitExpress
第 63 条の 15 第1項
内閣総理大臣は、仮想通貨交換業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、仮想通貨交換業者に対し当該仮想通貨交換業者の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該仮想通貨交換業者の営業所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
出典:金融庁
分別管理
仮想通貨交換業者は、利用者保護を図る観点から、利用者が交換所に預託した金銭や仮想通貨について分別管理を行うことが義務づけられます。
顧客資産は自己資産と区分して管理を行わなければいけません。
そして、区分管理の状況については、公認会計士又は監査法人による外部監査を受けることが義務づけられています。
金銭の分別管理 | 顧客から預託を受けた金銭は、仮想通貨交換業者の自己資金とは別口座で管理されています。 |
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仮想通貨の分別管理 | 仮想通貨の保管場所は、仮想通貨交換業者の保有分と顧客の保有分で物理的に分離されています。 |
仮想通貨交換業者が講ずべき措置
仮想通貨交換業者が講ずべき措置には、以下のようなものがあります。
- 情報の安全管理措置(法63条の8)
- 委託先に対する指導その他の委託業務の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置(法63 条の9)
- 利用者保護に関する措置(法63条の10)
- 指定紛争解決機関(金融ADR 機関)との契約締結義務(法63条の12)など
仮想通貨交換業者は、これらの内容を遵守する必要があります。
また、仮想通貨交換業者には、マネーロンダリング(マネロン)防止態勢を整備する義務や、監督規定も設けられています。
仮想通貨取引所の選び方
仮想通貨の取引所を選ぶ際は、安全性に加え信頼できるしっかりとした所を選ぶことが重要です。
その際、金融庁に正式に登録されていることが、信頼性を判断する上での一つの目安となります。
また、セキュリティ面だけでなく、主な株主、資本金、設立年数、社員数などの会社概要も確認しておきましょう。
海外の仮想通貨取引所を利用すれば多くのコインを取引することができますが、その反面、信頼性や安全性の面で高いリスクがあることを理解しておきましょう。
取引所によっては、実体がない所や運営が杜撰な取引所も存在するようです。
初めて仮想通貨取引を行う場合は、日本国内の取引所を利用する方が安心だと言えます。
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